ソクラテスの「愛国」
実際に、自身も若いころに従軍し、戦争で大活躍を遂げた人物でした。
そこで出来たコネや名声を自身の出世のために使わなかった点が、
彼の独特なところでもあります。
彼は愛する祖国のために、そして祖国の未来を担う若者達のために
「無知の知」を広めていきます。
すると、全てを知っている風なソフィスト達は、次第にその地位を失っていきました。
さらに、この無知の知という考え方は、若者の愛国心を失わせていったとも言われています。
当然のように愛国心を持つことは良いことであり、愛国心を兼ね備えた人物こそが
徳を備えた人物であると考えられていたという一つの「正義」を、この無知の知は崩していってしまうという
結果ももたらしてしまったのです。
結果として、ある戦争にソクラテスの国が敗北したとき、
ソクラテスが若者によくない考えを広めているからこそ、戦争に敗北したのだという意見が出ます。
そしてそれは、完全な言いがかりではなかったとも、自分は思います。
そうしてソクラテスは、服毒自殺を命じられます。
当時の服毒自殺による死刑とは、簡単に逃げ出せるものだったようです。
さらにはソクラテスを慕う若者達もたくさんいたので、逃げようと思えば逃げるのは、
簡単に可能だったといわれています。
ソクラテスを慕う若者達は、ソクラテスに国外へ逃げるように説得しましたが、
ソクラテスはこう答えます。
「悪法もまた法なり。」
彼は、自分の考えが祖国を弱体化させるために行ったものでもなければ、
自分が祖国を愛していたということを、その死の間際に自らの行動でもって証明したわけです。
ソクラテスの「無知の知」とは、若者達を「真理へと近づけた」という側面と、
「なぜ自分達を犠牲にしてでも国家というものを守らなくてはいけないんだろう」という、
「社会秩序を乱した」という側面を併せ持っていると思います。
はたしてソクラテスの行いは、「正しい」行いだったのでしょうか。
みなさんはどう思いますか??
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